【ファンインタビュー】聖地巡礼、ぬい衣装作り、親子でライブ参加……人それぞれのホロ活のカタチ

ホロライブの推し活、「ホロ活」にフォーカスする本特集。前回は「ホロプラス」で行ったアンケートをもとに、ホロ活の傾向や多彩さについてご紹介しました。今回は、アンケートにご協力いただいた方の中から3名に個別インタビューを行い、それぞれのホロ活についてさらに深く迫ります。

お話を聞いた方々

G.Kさん

1人目は、現役大学生のG.Kさん(20代/女性)。YouTubeで流れてきた響咲リオナさんの歌に魅せられて以来、彼女のソロライブを夢見てホロ活に励んでいます。昨年の夏には配信を見て高知県に興味を持ち、弾丸旅行を決行。当時の思い出と、リオナさんへのまっすぐな思いを語ります。

ちゅんさん

2人目は、ぬいぐるみの衣装製作に取り組むちゅんさん(30代/男性)。3期生ライブ『きゅるるん大作戦』のキービジュアルに心をつかまれ、未経験から約1カ月かけて白銀ノエルさんのライブ衣装を製作。そのチャレンジの様子をうかがいました。

おまっちさん

3人目は、家族でホロライブが好きだというおまっちさん(30代/男性)。特にお子さんとは「親子開拓者」として、hololive fes.やAZKiさんのソロライブに一緒に参戦しています。ひとりで楽しんでいたホロ活が家族や仲間へと広がっていった、その歩みについてお聞きします。

※記事中の写真は各インタビュイーのご提供

【前回記事はこちら】

「ホロ活がきっかけで、高知が大好きになった」

おすすめで流れてきた歌から、人生初のVTuber沼へ

これまでゲームや3次元アイドルなど、多様なカルチャーに親しんできたG.Kさん。人生で初めてVTuberを好きになったきっかけは、YouTubeで偶然流れてきたリオナさんの「FG ROADSTER」のカバー(SOLO ver.)でした。

響咲リオナ/ FG ROADSTER(SOLO ver.)【Official Lyric Music Video】

「その卓越した歌唱力とラップスキル、そしてVTuberではなかなか見たことがないタイプの衣装デザインに衝撃を受け、人生で初めてVTuberの推しができました。はじめはリオナさんのソロ配信のみを追いかけていましたが、コラボ配信や外部大会でのチーム戦など横断的な活動をされていたこともあり、 気付けば所属されているタレントみなさんのお名前を覚えてしまいました」

大学の授業がない日は、アーカイブや切り抜きを視聴したり、ファンアート制作に没頭したりと、丸一日推し事に充てることもあると言います。リオナさんの楽曲『Ring my name』のピアノ音源を自作して目覚ましに設定するなど、自身の得意分野を取り入れたホロ活も楽しんでいます。

『hololive SUPER EXPO 2026』及び『hololive 7th fes. Ridin’ on Dreams』に参加したときの服装

ホロ活を通して、ファッションの楽しみ方にもポジティブな変化が。リオナさんの配信の中で語られたファッションや、概念コーデ(※)を楽しむうちに、それまで着たことのない服も着るようになったと言います。
※概念コーデ…推しの人物、キャラクター、作品のイメージカラーや世界観を落とし込んだコーディネートのこと

「元々はY2Kファッション(2000年代風のスタイル)が好きでしたが、もっとやわらかいテイストや、いわゆるスナ系(※)にも挑戦するようになりました。タレントさんがきっかけで好きなものが増えていくことが、ホロ活から得られる一番の刺激であり楽しみです」
※スナ系…ファッションブランド「SNIDEL(スナイデル)」や、同系統のファッションスタイルのこと

夏休みに高知へ弾丸旅行、「胃袋」を掴まれて深まった愛

リオナさんとの出会いを「自分が今まで触れてこなかったコンテンツや土地、文化に触れる入り口ができた」と振り返るG.Kさん。その最たるものが、リオナさんがたびたび愛を語る高知県への聖地巡礼です。定期配信「リオナとランチ」でのトークで興味を持ち、その翌々日には高知へと向かっていました。

【定期配信#47】木曜のお昼の12時はリオナとランチ❤【ホロライブ 響咲リオナ】#リオナとランチ

現地では、リオナさんがAZKiさんとの地理ゲーム「GeoGuessr」配信にて、思い出の地として紹介した「秦山公園」を訪問。リオナさんが高校時代に食べていたというお弁当を買って船に乗り、高知の海を眺めながら味わうといった体験も。カツオのたたきやうつぼの唐揚げ、地酒などのグルメやよさこいの文化にも魅了され、すっかり高知ファンになりました。

船上で高知の海を楽しむG.Kさん(加工はご本人によるもの)

なぜ、推しにまつわる場所や勧められた場所に行ってみたくなるのでしょうか。G.Kさんは、その理由をこのように考えています。

「友達や家族との会話では、相手の反応を見ながら興味を持ってもらえそうなものを勧めますよね。推しの場合は多数のファンに向けて話しているので、自分が本当に好きなことを好きなだけ語ってくれます。だからこそ、その魅力がストレートに伝わってくるのだと思います」

アーティストとしての成長に伴走する喜び

リオナさんを応援する背景として、初めて好きになったVTuberであること以上に、一人のアーティストとしても魅了されているとG.Kさんは話します。

「初めて参加したhololive fes.でリオナさんの歌声を浴びたとき、歌に体が支配されるような感覚になってすごく気持ち良かったんです。推しの声はこれぐらいのキャパがないと収まりきらないんだなって実感しました」

来春には就職という人生の節目を控えていますが、今後も自分なりのペースで応援を続けていきたいと笑顔を見せました。

「いつか大きな会場で、単独ライブを開いてほしいと強く願っています。もっともっと多くの人に見つかって、アーティストとして行ける所まで突き進んでほしいですね」

リオナさんのグッズと一緒に、聖地「秦山公園」へ

「ライブという晴れ舞台に、自作衣装を着せたぬいと一緒に参加したい」

ホロライブとともにある毎日

ちゅんさんがホロライブにハマったきっかけは、2023年にYouTubeで偶然目にしたひとつの切り抜き動画でした。切り抜き動画とは、長時間になりがちな配信の映像から見所を切り抜いたもの。推しの認知拡大に貢献できるとして、ストリーマー・VTuber業界では定番のUGCのひとつとなっています。

「ノエルさん、マリンさんが登場するカラオケ配信の切り抜きを見たんです。『豪快に笑い転げるマリンさんをよそに、淡々と歌い続けるノエルさん』というシュールな構図が面白くて、ノエルさんがどんな人柄なのか興味が湧きました」

【ビジネス】ラブラブカラオケデート!重大告知あり!?【ホロライブ/宝鐘マリン・白銀ノエル】

その後、初めてリアルタイムで視聴したのが『スーパーマリオブラザーズ』の実況配信でした。

「もともとテレビ番組『ゲームセンターCX』で、有野課長が諦めずにゲームに挑む姿が好きだったんです。ノエルさんのマリオ実況はそれに通ずるものがあったし、配信も面白くて。それ以降、予定がない限りはすべての配信をリアルタイムで追いかけるようになりました」

そうして、ちゅんさんの毎日にホロライブという存在が加わりました。平日の昼は各タレントの定期配信、夜は「ホロジュール」(※)で気になった配信をチェック。さらに企業コラボの企画やライブ・イベントにも積極的に参加していて、平日と重なった場合は前もって仕事を調整し、当日参加できるようにしているとのこと。日々の生活に、ホロ活がメリハリと活力をもたらしています。
※ホロジュール…ホロライブ所属タレントの配信予定がチェックできる公式サイト

ちゅんさんのグッズ棚。ちなみに、インタビュー当日もグッズを身に着けて参加してくださいました

「ないなら自分で作る」未経験から挑んだぬい衣装制作

そんなちゅんさんが、ぬいぐるみの衣装制作への挑戦を決意したのは、3期生ライブ『きゅるるん大作戦』が告知されたとき。

「キービジュアルを見て、ライブ衣装がすごく可愛かったのでぬいの衣装がほしくなったんです。それで、『ないなら自分で作ろう』と考えました。もともとSNSに流れてくる他の人の自作グッズを見て、自分もいつかやってみたいと思っていたんです」

とはいえ、当時のちゅんさんに手芸の知識やスキルがあったわけではありません。針を握るのも家庭科の授業以来のこと。まずはぬい服作りの基本が学べる本を購入し、布端処理の方法など基礎的な座学から開始しました。

白ver.と黒ver.、両方を製作

「綺麗に作れるかはわからないけど、せめて丁寧には作ろうと決めていたんです。ライブ当日連番する予定だった友人にも、いろいろ教えてもらいましたね。最初はレンタルスペースを借りて付き添ってもらい、そこからは独学で試行錯誤を重ねました」

ちゅんさんは、型紙を薄い紙から厚紙へ、そして布へと転写する作業を何度も繰り返しました。中でもこだわったのは、2次元のイラストを如何に3次元の衣装に落とし込むか。たとえば「3きせい」の髪飾りは立体感を出すためにフェルトを3層重ねるなど、納得がいくまで4〜5回は作り直したと言います。

「平日の仕事が終わった後はもちろん、年始の『#新春3期生24時間配信』を観ている間も作業を進め、約1ヶ月かけて完成させました。『ライブという晴れ舞台に、自分で作った衣装を着せたぬいと一緒に参加したい』という思いが何よりの原動力でした」

聖地巡礼と「推しの思い出」の共有

自作した衣装を着せたぬいとともに参加したライブは、ちゅんさんにとって忘れられない体験となりました。

「ライブを楽しみに待つのも良いですが、その間に製作に取り組むことで、ワクワク感がもっと高まった気がします。会場では、ノエルさんの幟と一緒にぬいの写真を撮影して楽しみました。ライブ中のMCでメンバーが衣装のディテールについて語った場面では、『知ってる知ってる!』という気持ちになりましたね(笑)。数ヶ月間、ずっとデザインを見つめて作っていましたから」

ノエルさんの幟の前で記念撮影

その後も、ぬい衣装製作は継続。牛丼好きで知られるノエルさんが吉野家とコラボした際は、店員の衣装を制作しました。

「店員さん姿のぬいを持って吉野家に行くことで、その世界観がよりリアルに浮かび上がりました。現地での写真をSNSに投稿し、ハッシュタグを通じて『行ったよ』というメッセージを推しに届けることも楽しみのひとつです。今は『ホロライブわちゃわちゃ学園祭』に向けて、制服衣装の製作に取り組んでいます」

「ひとりで始めたホロ活が、家族みんなで楽しめるものに」

「親子開拓者」として、お子さんと一緒にホロ活

おまっちさんがホロライブに興味を持ったきっかけは、宝鐘マリンさんのオリジナル曲「Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆」。かつてのニコニコ動画を思わせるキャッチーで懐かしいサウンドと、楽しそうに歌うマリンさんの姿に一気に引き込まれたと言います。かねてよりAZKiさんの音楽を聴いていたこともあり、そこからはホロライブへの興味がどんどん広がっていきました。

「今では、耳にする音楽の8~9割がホロライブの楽曲です。通勤中はもちろん、家族で出かける際の車中でも流して、みんなで聴いています」

現在小学生のお子さんは、物心つく頃からAZKiさんの歌を聴いていただけあって、今や立派な開拓者(※)に。自然と曲を覚えて歌うようになり、ふたりでソロライブやhololive fes.に足を運ぶ「親子開拓者」として一緒にホロ活を楽しんでいます。
※開拓者=AZKiさんのファンネーム

また、おまっちさんがリビングのテレビで「あずいろ」のコラボ配信を観ていたことから、奥様が風真いろはさんのファンに。特にいろはさんのマスコットキャラクター「ぽこべぇ」は、ぬいぐるみを購入するほど大好きだそうです。

奥様が愛でている「ぽこべぇ」と、お子さんのAZKiさんセット

「一般的には趣味が家族に理解されにくいことも多いと思いますが、ありがたいことに家族で配信を楽しむ時間があるほか、妻も私がホロライブの話をするのに付き合ってくれています。ひとりで始めたホロ活が、いつの間にか家族みんなで楽しめるものになり、家庭をより円満にしてくれていると感じます」

お子さんと一緒に参戦した「ホロ花火2025」

推しだけでなく、仲間に会えるのもライブの良い所

おまっちさんにとってAZKiさんは、人生の厳しい時期を支えてくれた大きな存在でもあります。仕事の人間関係で深く悩んでいたとき、心を救ってくれたのがAZKiさんの歌声でした。

「仕事の悩みで気持ちがひどく落ち込んでいた時期があるんですが、AZKiさんの『明けない夜があったなら』を聴くと本当に救われました。無理に前向きにならなくてもいい、今の自分のままでいいんだと思えて、泣いてしまうこともあったほどです。配信にも元気をもらいました。『配信を見てこんなふうに自然に笑えているんだから、もう少しだけ頑張ってみようかな』と思えました」

さらに2024年、初めてお子さんと一緒にライブに参加したことがきっかけで、他の開拓者との交流の輪も一気に広がりました。AZKiさんの配信で「子どもと一緒にライブ参加させてもらって楽しかったです」といったスーパーチャットを送ったところ、他の視聴者から温かい反応が寄せられたのです。

それを機にXのホロ活アカウントでもつながりが増え、今ではイベント会場で挨拶したり、ときにはオフ会を行ったりするなど、他のホロライブファンとの交流も積極的に楽しんでいると言います。

「ホロ活を通して出会った友人とは、同じ熱量で同じものについて語り合うことができます。これは、リアルの友人とはまた違った絆ですよね」

ファン同士の交流においてはイベントやライブの存在も大切だと、おまっちさんは語ります。

「もちろん推しに会いに行くことや、歌を聴きに行くことがメインではありますが、ホロ活仲間に会えるのもうれしいんです。特に最近はいろんなタレントさんがライブを開催されているので、仲間に会える場が増えてありがたいなと思っています」

開拓者仲間と高尾山へ。「AZ列車開拓号」として電車1両を貸し切った(ぼかし加工は編集部によるもの)

ホロライブは、自分の世界や人生まで豊かになっていく場所

ひとりで始めたホロ活が家族に広がり、たくさんの同胞との出会いを呼び寄せました。おまっちさんはホロライブのことを、こう表現します。

「推しを見つける場所であると同時に、その人の夢や挑戦を応援しながら、自分自身の世界や人生まで少しずつ豊かになっていく場所。もしホロライブがなかったら人生がどうなっていたか、想像できないくらい大切な存在です」

まとめ

ファンの数だけホロライブとの出会いがあり、ホロ活の形がある。今回3名のユーザーさんにお話をうかがって、そう感じました。どの方も推しとの思い出や応援の気持ちを一生懸命、そしてうれしそうに言葉にしてくださる姿がとても印象的で、聞いているこちらまで幸せな気持ちになりました。

COVERedgeでは引き続き「ホロ活」特集を掲載予定。今後もぜひチェックしてみてください。

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