2026年4月28日から京都 IP書店で開催されている「さくらみこ POP UP SHOP」。等身大フィギュアや御朱印帳、特別映像など、京都ならではの企画が話題を集めています。
このPOP UP SHOPで目指したのは、グッズ販売の場にとどまらない、「ファンとリアルでつながる」体験でした。京都 IP書店、デザインココ、そしてカバー株式会社。それぞれの想いやアイデアが重なって生まれた企画の舞台裏について、関係者のみなさんにお話を伺いました。
2026年4月28日から7月28日までの約三か月間、京都高島屋 S.C.内の「京都 IP書店」を舞台にしたPOP UP SHOP「さくらみこ POP UP SHOP」が開催されています。
この企画では、実店舗の中に様々なIPが集まる IP書店さんからの提案をきっかけに、弊社とデザインココさんが加わり、京の都らしい和の雰囲気を感じさせる世界観で「ファンとリアルでつながる」をコンセプトにしたストアを展開。店舗の外からでも目を引くさくらみこさんの等身大フィギュアの展示に加え、みこさん本人の書き文字をスタンプにした御朱印スタンプや御朱印帳、京の和菓子など、今回ならではのグッズが販売されています。

また、電脳桜神社を模したブースでは、撮りおろしの特別映像や、これまで発表してきたMVなどを放送。店舗の様々な場所にみこさん自身が来店して書き残した直筆メッセージもちりばめられていて、リアル店舗だからこそできる様々な工夫がされています。
このPOP UP SHOPは、どんな思いで実現したものだったのでしょうか? IP書店の編集長を務める栗俣さん、デザインココの田川さん、弊社の担当者・Sさんに、今回のPOP UPに込めた様々な工夫やリアル店舗での施策ならではの魅力について聞きました。

「点」ではなく「線」となるPOPUPに
――このたび、京都 IP書店のオープンを記念して、「さくらみこ POP UP SHOP」が開催されています。まずは、この企画がどのような経緯で始まったのか教えてください。
弊社が渋谷で展開している「渋谷 IP書店」が好評をいただき、その実績を受けて「京都 IP書店」のオープンが決まりました。その中で、渋谷でもさまざまな企画をご一緒いただいたホロライブプロダクションさんを大きく取り上げたいと考え、お声がけしたのがはじまりです。実は、京都 IP書店のオープンが決まった際、最初にご相談したのも、カバーさんだったんですよ。渋谷 IP書店のご担当者の方にいの一番にお伝えして盛り上がったのを覚えています。
――これまでの積み重ねが、今回の企画につながっているのですね。
IP書店さんからご相談をいただいて、こちらからはさくらみこさんの起用を提案させていただきました。京都という土地や施設のコンセプトを考えたときに、「和」と親和性の高いタレントがふさわしいのではないかと考えました。
デザインココさんに関しても、実は当社が企画展示するフィギュアの多くを手掛けていただいています。最初にお願いしたのは、おそらく星街すいせいさんの等身大フィギュアだったと思いますが、そのクオリティの高さに絶大な信頼を寄せています。今回もカバーさん、デザインココさんとご一緒することで、クオリティの高い企画が実現できたと思っています。
――実際に店舗に足を運んでみると、様々な工夫が凝らされているのが印象的でした。みなさんが考えていたPOP UP SHOPのテーマのようなものはありますか?
今回のPOP UP SHOPを単なる「点」の施策としてではなく、これまでの取り組みとつながる「線」として見せたいと考えていました。また、VTuberの魅力は、アニメルックのキャラクターでありながら、実際に活動しているタレント本人が存在していることです。そのため、こうした企画では「生感」を常に大切にしています。今回で言うと、御朱印帳や御朱印スタンプの企画がその象徴です。和の要素を取り入れる方法はいくつもありましたが、御朱印帳やお守りであれば、POP UP SHOPの世界観の中に「みこさん自身が実際に手に取っている姿」を落とし込めると考えました。また、イラストを和の雰囲気に寄せるにあたって、ご朱印帳やお守りを描き起こしイラストにも持たせることで、グッズとイラストが繋がっているように演出を落とし込みました。


――なるほど。タレントさんも同じものを持っていることで、POP UP SHOPの世界観がよりリアルに感じられます。
さらに、御朱印スタンプそのものにもこだわりました。みこさんご本人にご協力いただき、手書きの習字をおこしたスタンプにすることで、アニメやゲームとはまた違う、VTuberならではの魅力が楽しめるものを目指しました。
御朱印帳はとても好評で、ご来場いただいた方のほとんどが購入されているのではないかと思うほどです。特に面白いのは、さくらみこさんを知らなかった方にも手に取っていただけていることですね。御朱印は海外のお客様にも親しみやすいアイテムですので、インバウンドのお客様が購入されたことをきっかけに、さくらみこさんを知っていただくケースも生まれています。

――ホロライブを知らない方が、その魅力を知る場所にもなっているのですね。
私自身、同じような体験をしたんです。実は最初にお仕事をご一緒する際に「とにかく一度ライブを観に来てください!」とみこさんのソロライブ(さくらみこ1st Live “flower fantasista!”)にお誘いいただいたんです。当時はみこさんの配信に触れたことはありましたが、その魅力を深く知る前の段階でした。ですが、実際に足を運んでみると、ファンのみなさんがみこさんを待ち望み、ライブを心から楽しみにしていることがひしひしと伝わってきて、開始5分ほどで感動してしまいました。「このファンとの絆や温かさは何なんだろう……?!」と感じて、気づけば涙が出てしまったほどです。 IP書店は立地的にも不特定多数の方に来ていただける場所です。そこで、私自身も体験した感動を、より多くの方に届けられる場所にしたい、と思い企画を進めました。
――その思いは店舗づくりにも反映されているのでしょうか。
そうですね。店頭スタッフについても、ホロライブに詳しいスタッフを渋谷店から呼び、接客を担当してもらっています。そうすることで、さくらみこさんとファンのみなさんとの距離感や空気感を少しでも感じていただけるように工夫しました。
タレントとのつながりを感じられる空間に
――他にもこだわった点はありますか?
今回さくらみこさんを起用するにあたり、みこさんが巫女という設定を持つことから、神社をコンセプトに企画を進めました。神社はもともと人と人をつなぐ場所でもありますので、同じようにさまざまなコンテンツやファンをつなぐ IP書店さんとの親和性も非常に高いと感じていました。
そこで、「ファンとリアルでつながる」というテーマを軸に企画を進める中で、弊社の強みである等身大フィギュアも活用しました。等身大のみこさんを展示することで、多くの方が集まり、交流できる場所にしたいと考えたんです。また、みこさんご本人にも店頭で流す特別映像を撮り下ろしていただき、まるでみこさんが実際に店舗にいるかのような魅力を表現しました。
さらに今回は、ファンの象徴とも言えるキャラクターの35P(注)や、その先輩にあたる金時も等身大フィギュアとして立体化しました。ファンとのつながりをより強く感じられる空間づくりを目指した形です。御朱印スタンプについては、みこさんにゆかりのある言葉を実際に手書きしていただき、それをもとに制作しました。おかげさまで非常に好評をいただいています。京都らしさ、神社らしさを大切にしながら、みなさんと相談を重ねて形にしていきました。
注・35P
元々はさくらみこのファンネーム。読み方は「みこぴー」。現在は、白い猫の姿をしたキャラクター「35P」としてデフォルメされ、愛されている。

――みこさんの等身大フィギュアは「hololive SUPER EXPO 2026」でも展示されていましたが、35Pと金時の等身大フィギュアは今回が初お披露目となりました。
この2体についてはサプライズという形で設置させていただきました。事前に後ろ姿だけが見えるような告知も行い、店舗へ来て初めて全貌が分かるようにしました。
――特別映像も印象的でした。活動初期から現在までのMVや、日本語/英語版で何パターンかあるメッセージなど、非常にバリエーション豊かな内容になっていますね。
立地的にも海外からのお客様が多く来店されることを想定していましたし、みこさんと言えば「えりーといんぐりっしゅ」というところもありますので(笑)、日本語だけでなく英語版の映像も撮影していただきました。本当にたくさんのパターンを収録していただき、大変ありがたかったです。

あの映像をご覧になったお客様の中には、涙を浮かべている方もいらっしゃいました。その様子を見て、こちらまで胸が熱くなりましたね。
「成功する」と確信できた瞬間
――カバーの方で工夫されたことはありますか?
今回は長期間のPOP UP SHOPということもあり、開催期間を前半と後半に分け、「春」と「夏」というテーマで展開したいと考えていました。そのため、店頭で流れる特別映像や御朱印スタンプの文言なども、前半・後半で内容が切り替わるようにしています。また、購入特典として「hololive OFFICIAL CARD GAME」(ホロカ)のPRカードを配布する施策も実施しています。通常、こうした単独施策でホロカチームと連携する機会はそれほど多くないのですが、今回は実現することができました。このPRカードも前半と後半でデザインが異なります。

――店舗内にはさくらみこさんが実際に来店して書いた直筆メッセージもちりばめられています。この辺りについて、来店時の様子なども含めて教えてください。
みこさんに実際に京都 IP書店に来店いただき、その場で書いていただきました。配信で見ているみこさんそのまま、とても明るくハイテンションで店内を回ってくださり、その楽しさがそのままメッセージにも表れていたと思います。私たちとしても、楽しそうに店舗を回ってくださる姿を見て、「これは成功する」と確信できました。
みこさんが喜んでくださるなら、35Pのみなさんもきっと喜んでくださるだろうと感じたんです。オープン後には、実際に35Pさんが直筆メッセージを見ている様子も拝見しました。特に等身大35Pフィギュアに書かれたメッセージには、多くの方が感動されていましたね。
今回のPOP UP SHOPもそうですが、タレントさんご本人が前向きに取り組んでくださることが、一番大きな力になります。準備段階で生まれた「おいでやす」「おこしやす」のやり取りを配信で話していただくなど、様々な形で、「さくらみこ×京都」ならではの要素も取り入れることができ、とても良かったと思っています。

――みこさんからの提案で実現したものなどもありましたか?
御朱印帳の裏面にあるスタンプ関連のデザインは、みこさんから「こういうものがあったら嬉しい」という提案をいただいたことがきっかけでした。そのアイデアをもとに、デザインココさんにデザインを制作していただいています。また、金時と35Pの等身大フィギュアについても、みこさんご自身が生み出したキャラクターということもあり、「このサイズ感やポージングで大丈夫ですか?」と確認を重ねながら制作を進めました。
――制作面で苦労したことはありましたか?
今回はグッズとしてお菓子も販売していますので、賞味期限の管理や販売期間との兼ね合い、対応していただけるメーカーさんや店舗さんとの調整など、通常のグッズとは異なる難しさはあったかもしれません。いくつか候補があった中で、お土産として持ち帰っていただけて、なおかつ京都らしさを感じられるものを選びたいと考えました。結果的に、京都らしさを感じていただける商品として形にすることができましたし、お土産需要もあって非常に好評をいただいています。

――店舗の外からでも、みこさん、35P、金時の等身大フィギュアが見えるようになっている展示方法なども、かなりの工夫がされているのではないでしょうか?
実は個人的には、その部分が一番苦労したところかもしれません。外からも見えるように等身大フィギュアを展示するためには、施設側との調整や設置条件など、さまざまな制約がありました。ただ、ここは何とか実現させたいと思って頑張らせていただきまして、店舗の前を通った方にも興味を持っていただける展示になったと思っています。
リアルだからこそ、思いがけない出会いがある
――オープン後の反響で印象的だったことはありますか?
まず何より、ファンのみなさんに喜んでいただけたことが大きかったですね。また、途中から「さくらみこさんとは」という紹介パネルを設置したのですが、これは海外からのお客様に「この子はどういう人なんですか?」と質問をいただく機会が非常に多かったからなんです。そのため、みこさんを知らない方にも興味を持っていただけるような導線を用意しました。
さらに印象的だったのは、みこさんのファンだけでなく、ホロライブの他のタレントさんのファンの方々も数多く来店してくださったことです。例えば白上フブキさんのグッズや衣装を身につけた方がPOP UP SHOPを楽しんでいる様子も見られましたし、その光景を見た海外のお客様が「Beautiful」と声を上げる場面もありました。特にゴールデンウィーク期間中は、本当に幸せな空間が生まれていたと思います。
――まさにさまざまな人がつながるハブのような場所になっていたんですね。
今回、Sさんの発案で「#京のみこ活」というハッシュタグも用意させていただきました。そのハッシュタグを通じて、みこさんとファンのみなさん、そしてファン同士のつながりが数多く生まれているのを感じています。リアル店舗だからこそ、同じ体験や楽しさを共有できる機会が生まれ、それがSNSにも広がっていく。VTuberという存在の魅力が、リアルな場にも反映されていると感じました。
インターネットは便利ですが、アルゴリズムの影響もあり、意外なものと出会う機会は少なくなっています。一方でリアル店舗には、思いがけない出会いがあります。 IP書店にはさまざまなIPが集まっていますので、他の作品を目当てに来た方がみこさんを知るということも起こり得ます。そうした偶然の出会いはリアルならではの魅力ですし、本来なら接点のなかった人たちをつなげる力があると感じています。
もともと弊社のファンのみなさんはSNSで体験を共有してくださる方が非常に多いので、「行ってきたよ!」「にゃっはろー見てきた」などの投稿が多く見られ、楽しんでいただけるものになったのではないか、と思っています。
35Pのみなさんって、本当に楽しそうなんですよね。見ているだけで楽しさが伝わってくるので、その様子を見て、「自分もその輪に入りたい」と思う方も多いと思います。そうしたみこさんとファンのみなさんの温かい雰囲気や一体感を伝えられる。そこに大きな価値があると感じています。
――プロジェクト進行においては、どのような体制で取り組まれていたのでしょうか。
定例ミーティングは週に2回ほど、しっかり長い時間をかけて実施していました。進行管理用のスプレッドシートを作成し、ToDoリストのような形ですべてのタスクを整理し、日常的な連絡も業務チャットツールを通じて密に行っていました。今回はみなさんがVTuberというIPへの理解を深く持ってくださっていたので非常に進めやすかったのですが、初めてご一緒する企業の場合は、まず弊社タレントの特徴や、アニメIPとの違い、タレント本人からリアルに反応が返ってくる存在であることなどを丁寧にご説明するようにしています。その上で、お互いが自由に意見を出し合える環境づくりを意識しながら進めていきました。
――みなさんでアイデアを出し合いながら進めていった雰囲気は、お話を聞いていても伝わってきました。
それこそ、35Pと金時の等身大フィギュアの件も、デザインココさんに相談したところ「できますよ!」と前向きにお返事をいただいて実現したものでした。そういった形で、みなさんからさまざまなアイデアやご協力をいただきながら進めることができました。一部商品の売り切れについてご迷惑をおかけしたのは申し訳なく、今後に生かしたいと思います。
お客様も運営側も一緒に幸せになれるPOP UP SHOPというのは、なかなかないと思っています。これから来場される方には、きっと楽しんでいただけると思いますので、ぜひ足を運んでいただきたいですし、すでに来てくださった方にも、2回目、3回目と楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、さくらみこさんだけでなく、ホロライブやVTuberに興味がある方、「VTuberってどんなものなんだろう?」と気になっている方にも、ぜひ一度体験していただきたいですね。きっと、想像している以上に素敵なものだと思いますので。ぜひ多くの方にお越しいただけたら嬉しいです。
今回のPOP UP SHOPでは、みこさんと京都 IP書店さん、そしてファンのみなさんをつなぐことを大きなテーマとしていました。その意味では、店舗というリアルな場所や、SNSをはじめとしたインターネット上で、多くの方々がつながるきっかけを作ることができたのではないかと感じています。また、単にグッズを購入するだけではなく、体験そのものにも価値を感じていただける企画になっていれば嬉しいです。
ご来場いただいたみなさんには、感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございます。カバーでは、今回のPOP UP SHOPはもちろん、これからもみなさんに楽しんでいただける企画を考えていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

【さくらみこ POP UP SHOP】
開催場所:京都 IP書店(京都髙島屋S.C.6階 京都 蔦屋書店内)
開催期間:7月28日まで
営業時間:8:30~21:00 ※店休日は京都髙島屋S.C.に準じます
詳細はこちら(https://tsutaya.tsite.jp/articles/store-5166)

